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 たまーに知り合いの作家さんの本についてこの日記で書いたりする事があるが、今日はそんな話。

 先月の末(だと想う。とある事情からフライングで献本してもらったので正確な発売日が分かりません。ごめん)に出ている本でメディアファクトリーから刊行されたもの。
 織田兄第・著
「感応者SAKI ネットストーカーの罠」という本。

 著者名は見慣れぬ名前かもしれないけど、実は小説版魔導物語(エンターブレイン社)の作者織田氏とその弟さんの共著のペンネームである。
 まあ作者の素性なんざ読み手にはどーでもいい事なのであるが。

 丁度出先(旅先?)だった事もあり、正直あまり期待はせずに時間つぶしの為に読み始めたのだが(失礼)、意外に読み易くてささっと読み終えてしまった。個人的に知人友人の本でも読めない時はどーしても読めないが、これは本当にするっと読めた。

 で――念のために先に言っておくと、私に言わせて貰えば、これは傑作ではない。大作でも無論ない。だが確実に秀作だとは想う。そういう本である。

 ネタバレな部分は省くが、ネットストーカーの狂いぶりとかは少々陳腐。わかり易さをとったんだろうと想うけど、やはりこれは話の盛り上がりなのだから、ステロタイプな『壊れた人』ではなくて、観ているだけで頭がねじれてくる様な、噛み合っている様でいて噛み合っていない様な、異様な雰囲気が出ていれば良かった様な気がする。

 だが――逆に言えば大きく気になった部分はその程度である。

 読んだ後で涙する様な話ではないし、大爆笑する話でもない。むしろ「ちょっとした超能力を持ったおねーさんが、常識的な智恵と勇気でもってちょっと活躍する話」である。世界の危機もないし、派手な超能力合戦も無い。機動兵器も出てこなければエルフもドラゴンも出てこない。恐らく本当にこの話の出来事が我々の世界で起こっていたとしても、我々は気付くことさえ無いかもしれない。
 そんな日常の中のささやかな冒険談と言おうか。
 何というか、ある意味でライトノベルっぽくない。オタクっぽくもない。
 強いて言えばこれはテレビドラマっぽい(あくまで強いて言えば、だが)。

 通常テレビドラマっぽい話を小説で、しかもライトノベルでそのままやると、かなり退屈な構成になってしまうのだそうだが、これは全然違う。

 何というか、のけぞる様な仕掛けや、アイデアが盛り込まれている訳ではないのだが、丁寧でまとまりのある造り(構成にしろ文章にしろ)は読んでいてとても楽というか、気負いを感じない。
 地味なのだが、よくかみ砕かれた平易な語り口(しかも一人称)が読み手を飽きさせない。

 大ヒットをいきなり狙うのではなく、丁寧に良質の、それも気負わないものを造る。
 やれそうでなかなかやれないのだよな、こういう本。
 昔はソノラマとかに結構こういう本が在ったように想うのだが、今はあまり見掛けない。何というかそれが少々私的には残念である。
 
 まあ正直なところ、この話が一番楽しめるのは我々物書きかもしれない(ネタバレになるので細かい事は言わないが)。
 だが普通の人が読んでみても、するすると読める本だとは想う。
 興味があれば一度読んでみてくださいな。

 ところでどーでもいいが、ついつい「ネットストーカーSAKI 感応者の罠」と言ってしまいそうになるのは、やはり語呂の問題なんだろか(笑)。

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